日本労働弁護団は10月21日、政府が進める「解雇の金銭解決制度の導入」に反対する声明を発表した。新型コロナ禍の下、さまざまな政策を動員して雇用維持に努めている一方で、解雇を容易にする同制度を導入することは「政策としての一貫性が欠如している」と批判している。
同制度導入のための法技術的な検討が、厚生労働省内で大詰めを迎えている。「労働者の救済」を名目とする導入論に、声明は、制度を導入しても「労働者側の負担は変わらない」と反論。迅速な解決をめざす労働審判など既存の制度が定着しているとし、「新たな制度を導入する必要は全くない」とした。
弊害として、解決金を低額に抑えることと、リストラの誘発を指摘。「『これくらい払えば、会社から追い出せる』という、悪しき相場感をもたせる」と警鐘を鳴らしている。
コメントをお書きください