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    公平な賃金と仕事の尊厳を要求/全米女子サッカー選手協会/初の協約締結へ交渉強める

     全米女子サッカーリーグ選手協会(NWSLPA)が9月16日、労組の中央組織である米労働総同盟産別会議(AFL‐CIO)に加盟した。結成は4年前。リーグを構成する10チームの選手200人からなる。現在、労働組合として初めてとなる団体協約の締結を、全米女子サッカーリーグと交渉している。

     米国で今年9年目となる女性のプロサッカーリーグは、人気上昇中だ。テレビ視聴率は昨年、500%近くアップし、リーグは来シーズンから2チームを増強する。

     一方、選手の3人に1人は、リーグが定める最低年収の2万2000ドル(約244万円)しか得ていない。男子サッカーリーグの最低年収はその約4倍であり、格差は甚だしい。「朝4時から7時間働いた後に練習へ行く毎日」と、副業で生計を立てている選手が多く、「大事な試合の前でも生活費の心配をしている」という現状を改めたいと、組合は訴える。

     AFL‐CIO初の女性会長であるリズ・シューラー氏も「公平な賃金と仕事の尊厳を求めて奮闘している女子サッカーの仲間を歓迎する」との談話を発表した。

     加盟に先立つ14日、チームの一つであるオレゴン州のポートランド・ソーンズの選手らは、地元でナビスコ社に賃上げを求めてストライキ決行中の食品労働者を激励。NWSLPAは、「私たちも同じ労働者。AFL‐CIOの先輩労組の闘いから多くを学びたい」と加盟の抱負を語る。(労働ジャーナリスト・丘野進)

      ※プロのスポーツ選手が副業なしで暮らせることをめざすNWSLPAのキャンペーンは、ハッシュタグ #NoMoreSideHustleで参照できる。