大分県労連が7月8日に発表した最低生計費調査では、新型コロナウイルス感染拡大による消費動向への影響も分析している。「交際・行楽費」は激減。年金生活者などに絞って見ると、収入が減少した家族に資金援助を行っている――と、専門家は推察している。
全労連は大分を含め23の都道府県で同様の調査を行っている。新型コロナ禍の下では初の調査。コロナ禍以前の2019年と20年の消費実態を尋ねた。
その結果、20年は19年と比べて、「交際・行楽費」が激減した。プライベートでの外食は、19年では約4割の人が「月に1~2回」(1回当たりの消費額平均3239円)行っていたが、20年では約2割(同1930円)に半減した。
「日帰りの行楽」は19年は「月1回以上」が70・5%だったが、20年は42・1%で、「1泊以上の行楽」は53・7%から18・3%にまで落ち込んだ。
●家族に仕送りか?
調査では、年金生活者などに絞った消費動向も分析した。
消費支出が平均を下回ったのは、対象者全232人のうち162人に上るなど、約7割が抑制傾向にあることが分かった。
消費支出に占める割合が高かったのは「プレゼント・お年玉・見舞金等」「医療費」「住宅ローン」が挙げられる。
監修した三好禎之・大分大学福祉健康科学部准教授は「全体として行動や収入の減少から消費支出が抑えられている。一方で、平均値を大きく上回る事例が約1割あった。収入が減少した家族に資金援助を行っているのではないかと推察できる」と語った。
コメントをお書きください