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    改憲許さない勢力を大きく/国会前の集会で清水日体大教授/国民投票法改正を批判

     国会閉会前日の6月15日、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」は、国民投票法の改正や重要土地調査規制法について緊急の抗議集会を国会前で行った。清水雅彦日本体育大学教授(憲法学)は、2007年の法制定以来の懸案であるテレビCMの規制などが先送りされたことを強く批判。次期総選挙で「改憲を許さない勢力を大きくしよう」と述べ、労働組合の力に期待を表明した。

     清水教授は、国民投票法制定時にテレビCMの規制や最低投票率制度の検討など、18項目もの付帯決議が付き、14年改正でも衆参合わせ27項目にわたる付帯決議があったことを指摘し、当初から「欠陥だらけの法律」だったと語った。

     今回の「改正」も、立憲民主党との修正協議で、付則に施行後3年をめどに検討・措置することを加え、懸案を先送りした。改正法成立後、自民党の下村博文政調会長が「緊急事態条項を新設する」と述べるなど改憲を急ぐ姿勢を強めていることに言及し、「改憲と付則の議論を同時にすべきではない。付則の議論が先だ」と強調した。

     清水教授は「総がかり行動」の集会に多くの労組組合員が参加していることに期待を表明。埼玉県の連合と全労連の地方組織による、立憲主義の回復を訴える「オール埼玉」の活動に触れ、「市民と野党共闘に労組が加わることが大事。総選挙で改憲を許さない勢力を大きくしよう」と呼び掛けた。

     

    〈写真〉国会前の緊急行動には120人が参加。発言する清水教授(6月15日、国会前)