JR連合は6月16日、愛知県豊橋市内で定期大会をオンラインと併用で開催した。長引く新型コロナ感染拡大で著しい業績悪化に直面する中、総力で苦境を乗り越えようと呼び掛けた。大会ではJR産業の持続的成長をめざす政策提言を確認。荻山市朗会長(再)、政所大祐事務局長(新)を選出した。
JR7社の2020年度決算は、1兆円超の損失を計上した。コロナ禍をきっかけとする、人々の行動の変容は、広域移動を柱とする鉄道産業の土台を揺らしている。JR連合は「コロナ後」の社会の急激な変化を見据え、大会で産業政策を提起した。
荻山会長は「JR産業が国と地域を支える役割を果たし続けることと、民間活力を発揮してJR産業を持続的に発展させることを両立させるため、事業領域のあり方、(鉄道運行と線路維持・建設に事業を分ける)上下分離の検討などに踏み込んで提起した」と解説。東京一極集中の是正など社会のありようへの提言も行っていると説明した。その実現のために、自治体や国への働きかけが非常に重要と語った。
特に空前の経営危機には「(職制からの)上意下達の押し付けではなく、働く仲間が正しく危機感を共有し、主体的に臨むことが求められる。そのために労働組合が役割を発揮しなければならない」と強調した。
●大手追随を打破
これ以上ない逆風下の21春闘で、ベア獲得は3単組にとどまったが、一時金の回答で、関連40単組が鉄道会社の回答を上回った。尾形泰二郎事務局長は事前の会見で「五里霧中で全く先が見えない中、ワンチームで臨み、大手追随の慣例を打破した。厳しい結果だがむしろ組織強化につながった」と手応えを語った。
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