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    最賃引き上げを大臣に要請/神津連合会長/低水準と地域格差を指摘

     連合の神津里季生会長は6月1日、今年度の改定で最低賃金を引き上げる目安が示されるよう、田村憲久厚生労働相に要請した。この時期に最賃に限定して連合会長が要請するのは初。日本の最賃が低水準であること、地域間格差が拡大していること、諸外国ではコロナ禍でも最賃を引き上げていること――の3点を指摘し、厚労行政による指導を求めた。

     直後の会見で、神津会長は「医療・介護をはじめ、生活を支える『エッセンシャルワーカー』の人々は見えない感染リスクと闘いながら第一線で働いている。処遇・労働条件が必ずしも良くはなく、熱い思いで(最賃の引き上げを)見つめている人に向き合ってほしい」と要請したことを報告。昨年の改定審議で、中央最低賃金審議会が目安を示さず、全国平均1円の引き上げにとどまったことに触れ「これが今年も続き、最賃引き上げの流れを止めてしまうことがあってはいけない」と強調した。

     そのうえで、労使の綱引きに終始させるのではなく、公益・労使、政労使の三者で認識を合わせ、現行最賃の問題点を解決することが必要と語った。

     

    〈写真〉連合の最賃要請に対し、田村憲久厚労相からは「前向きな発言があった」という。モニター画面は田村厚労相(6月1日、都内)