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    幅広く意見を呼び掛ける/「生活賃金」改定で連合/秋にも改定額を公表

     連合は5月半ばから、最低賃金の改定審議や春闘交渉の際の主張の根拠としている「リビングウェイジ(生活賃金)」について、広くインターネットで意見を求めている。2003年の策定以降、約5年に1度見直しており、アンケート結果を踏まえ、今秋にも新たな水準を打ち出す。

     連合リビングウェイジの定義は「健康で文化的な生活ができ、労働力を再生産し社会的体裁を保持するために最低限必要な賃金水準」。さいたま市をモデル地域とし、生活に必要な費用を積み上げる「マーケットバスケット方式」で積算し、最低限必要な賃金(時給)を算出する。埼玉県が単身世帯で1020円。これを元に消費者物価指数から、各都道府県の水準をはじき出している。

     アンケートは03年の策定以来、初の試み。広く意見を聞き、生計費試算の精度と信頼性を高めるのが狙いだ。

     連合のホームページやフェイスブックから答えることができる。例えば、「ひと月の外食費を単身世帯の場合は3042円と試算している。最低限必要な金額としてどう思うか」や「成人のひと月の小遣いを6084円とする。最低限必要な金額としてどう思うか」「スマートフォンを5年に1度買い替えるとする。最低限必要な生活を維持する目的に対し、これをどう思うか」など消費項目ごとに問いを設定。多すぎる・おおむね妥当・少なすぎる――などから選んで答えてもらう。

     連合は昨秋、外部の有識者を迎え、リビングウェイジの検証作業をスタートさせた。信頼性をもたせるために「抑制的」に算出している現在の試算方法の検証が目的で、今回のアンケートもその一環。今年の秋に、改定額と併せて、検討結果を発表する。