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    改定審議の一部公開を提案/地域別最賃の目安全協始まる/秋以降に審議・検討本格化

     最低賃金改定の際のランク区分や活用する経済指標などについて、5年に1度見直しを検討する「目安制度のあり方に関する全員協議会」(目安全協)が5月26日、始まった。今年度中に結論を出し、2022年度の改定審議から適用させる予定。同日の会合では、現在非公開とされている、中央最低賃金審議会の改定審議について、一部公開することを今秋以降検討することとなった。

     目安全協は公労使の3者の委員で構成。最賃の決め方を検討する、国の唯一の合議体だ。先進国で最も低い最賃水準や、最大221円に上る地域間格差の是正など課題は山積みだが、何を話し合うかはまだ決まっていない。

     この日、労使からの意見表明は特になく、本格的な審議は秋以降。タイトな日程での審議となる。

     

    ●重い扉、ついに開くか

     

     厚生労働省の説明によると、藤村博之会長は目安全協の席上、毎年の改定審議で、公益と労使の3者がそろう場面について、審議の公開を提案した。使用者側は新型コロナ禍を理由に時期尚早と述べ、労働側は地方最賃審との関係を指摘したという。こちらも秋以降に検討を開始する。藤村会長は議事録の早期公表も提案した。

     ただ、改定審議では公益と労使各側委員との個別の意見調整に多くの時間が費やされるが、それは検討の対象とはしない考え。

     労働政策や労働法についての審議会は原則公開されているが、最賃の改定審議については「労使交渉的な性質」があるとして、中央最賃審の改定審議は完全に非公開とされている。一方、地方は多様で、少しずつ公開が進みつつある。

     目安全協については直前の中央最賃審で、審議非公開を確認している。