連合は5月10日、春季生活闘争の回答集計(同6日段階)を公表した。コロナ感染拡大が続く中でも、賃金改善分を要求した組合は昨年を1割余り増加した。妥結内容を確認できる2006組合のうち、約半数が賃金改善を獲得したとし、連合は「賃上げの流れが続く」と評価している。回答の加重平均は5347円。
賃金改善を要求したのは5361組合で、昨年同時期を688組合上回った。今春闘は、コロナ禍の影響を受ける厳しい交渉環境だったが、連合は賃上げの継続を訴え、2%の賃金改善(ベースアップ)を目指す方針を掲げていた。
妥結内容を確認できる2006組合のうち、48・6%に当たる975組合が改善分を獲得。98・6%が定期昇給相当分を確保している。昨年同時期は1884組合のうち改善分獲得は6割強、定昇確保は99・7%だった。
定昇相当分を含む回答平均(3205組合)は5347円で、同336円のマイナス。賃上げ率は1・81%で、昨年同時期(3123組合)を0・12ポイント下回った。2%を割り込むのは、2年連続。
●底上げの成果を強調
連合は今回の集計について、中小労組と、パート・有期労働者の賃上げの健闘ぶりを強調している。
賃金改善(ベア)分の平均で見ると、300人未満の中小労組763組合の平均は1379円(0・57%)で、昨年同時期(928組合)とほぼ同額。率では、300人以上を若干上回る。
パートの時給引き上げでは、同58組合少ない207組合(約55万人)が回答を引き出した。加重平均は同6・61円マイナスの21・88円。賃上げ率は2・13%(概算)で、一般労働者を上回ったとしている。
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