インターネット通販大手、アマゾンジャパンで働く男性が解雇は「無効」だとして、運営会社を相手に労働契約上の地位確認などを求めてこのほど、東京地裁に提訴した。原告側は「闘う者に対する報復措置」だと話す。
男性は出品業者に販売促進を行う仕事を担当。東京管理職ユニオンアマゾンジャパン支部の支部長でもある。
訴状などによると、業務改善計画で、男性は達成困難な目標を課され、2019年に懲戒降格処分とされた。その後、顧客データの利用や会議への参加を禁じられた上で、再度新たな目標を課された。業務遂行の手段を奪われているため、当然目標は達成し得ず、3月10日付で解雇を通告された。
会社側は解雇理由として「懲戒降格処分後の目標を達成しなかった」としているが、男性は「懲戒降格処分自体が無効」と主張している。
●労組役員の休職相次ぐ
男性は懲戒処分の無効を訴え、労働審判では男性の主張を認める審判が示されている。現在、裁判(本訴)で係争中だ。
今回の解雇について、原告側代理人の梅田和尊弁護士は「解雇は懲戒降格処分に異議を唱えて労働審判、その後の裁判で闘う男性に対する報復的措置と考えられる」と語る。
アマゾン支部は15年に結成。会社側は公然化して活動する労組役員に対して、達成困難な課題を繰り返し与え、解雇や休職に追い込んでいる。(表)
東京管理職ユニオンの鈴木剛委員長は「アマゾンは業務改善計画(PIPなど)で労働者に退職を迫っている。恣意(しい)的に運用され非常に問題のあるシステム。世界のアマゾン労組と連帯し改善を求めたい」と話した。
〈写真〉「アマゾンが大好き。職場に復帰したい」と語る支部長の男性(右から2人目、4月28日、都内)
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