江戸文化研究者の田中優子さん(法政大学前総長)が5月3日、国会正門前で開かれた「憲法大行動」に参加。「日本国憲法と自民党の改憲案を両方読んでほしい。自民党案が通ったら日本は全く別の国になってしまう」と訴えた。スピーチの要旨は次の通り。
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憲法記念日に当たり、皆さんには日本国憲法をちゃんと読んでほしい。併せて自民党改憲案も読み、比較してください。価値観が全く異なることを確認してほしいのです。
自民党案は日本を「天皇をいただく国家」と規定し、天皇を元首と位置付けました。国民には「国を守る義務」を課しています。
「個人の尊重」(13条)から、「個人」を削除し、ただの「人」に代えています。こういう(個人を軽視する)発想はコロナ禍の下で鮮明になりました。個人は放置されたままです。
さらに、自民党案は国防軍創設を明記しました。政府は(自衛隊を憲法に明記するだけで)何も変わらないといいますが、そうではありません。
これは改憲ではなく、全く異なる憲法にするということ。日本が全く別の国になることを意味します。
憲法に対する選択肢は二つ。捨てるか守るかです。
私たちは、各人が理想とする憲法について、明確にしておくべきでしょう。
いったん改憲されたら、どんどん変えられ、そして捨てられてしまいます。いま、一人一人がこのことを考える必要があります。
〈写真〉自民党改憲案を批判する田中優子さん(5月3日、都内)
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