労組や市民団体による「5・3憲法大行動」が、国会正門前で開かれ、オンライン中継された。登壇者の多くはコロナ禍の中で命を軽視する菅政権に対し「憲法25条(生存権保障)違反だ」と指摘。国民投票法案の採決を狙う動きについても厳しく批判した。
「九条の会」事務局長の小森陽一氏は、政府のコロナ対策が生存権保障の25条1項だけでなく、同2項(社会福祉と社会保障、公衆衛生の向上と増進の国の義務)にも「全く違反している」と強調。市民と野党の共闘で政治を変えようと呼びかけた。
立憲民主党、日本共産党、社会民主党の党首も25条に触れつつ、改憲を目指す政府の姿勢を糾弾した。「コロナ対策の遅れは憲法に緊急事態条項がないからではない。(自粛や休業に)正当な補償をけちっているからだ」(立憲民主党の枝野幸男代表)、「国民投票法案は本格的な改憲に向けた地ならしであり、コロナ禍の火事場泥棒だ」(日本共産党の志位和夫委員長)、「国民投票法案は(広告・CM規制が不十分な)欠陥法案であり、5月連休明けの採択など冗談ではない」(社会民主党の福島瑞穂党首)との訴えが続いた。
「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」呼びかけ人の山口二郎法政大学教授は、三つの国政選挙で野党統一候補が勝利したことを挙げ「衆院選の1人区でも候補者一本化は当たり前のこと。選挙で改憲勢力を減らし、政権交代を目指そう」と述べた。
〈写真〉主催者あいさつする「九条の会」の小森事務局長(5月3日、都内)
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