建設アスベスト九州1陣訴訟の原告らは4月19日、最高裁第2小法廷に公正な判決を求める署名を19万3千筆以上提出し、全面解決に向けた判断を示すよう要請した。遺族原告の柴田清子さんは「最高裁に上告して1年以上待たされている。早く解決してほしい」と訴えた。
東京、神奈川、大阪、京都の訴訟を受けた最高裁第1小法廷では昨年末以降、国と建材メーカーの責任を確定させる決定を相次いで行っている。国と原告との間では和解に向けた詰めの作業が行われている。
一方、九州1陣は2011年に提訴。福岡高裁判決(19年)では一人親方も含めた国、建材メーカーの責任を認定した。
九州1陣の原告は最高裁に上告したが、第2小法廷にかかり、受理か否かの決定はまだない。4月には弁論を開き、救済対象の範囲を検討している最高裁第1小法廷の判決(5月17日)の後に動き出すとみられる。
要請では、先行する第1小法廷の判断を踏まえ、全面解決に向けた公正な判断を行うよう求めた。
同訴訟の原告は、福岡県建設労働組合(福建労)、熊本県建築労働組合(熊建労)の組合員らに加え、建交労元組合員の遺族も参加する。炭鉱やトンネルじん肺などの被害者救済の裁判闘争とともに取り組んでいる。支援組合は4月25日に集会を開き、運動の強化を図る。
〈写真〉「九州もがんばらないかんばい」と話す遺族原告の柴田清子さん(左、4月19日、最高裁前)
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