全労連など国民春闘共闘委員会は4月15日、都内で会見を開き、今年度の最低賃金改定での大幅引き上げを訴えた。コロナ禍の下でも国民生活維持のために働き続けるエッセンシャルワーカーが「フルタイムで働いても手取り月10万円にもならず、コロナ禍でダブルワークをしている」と切実な実情を訴えた。
黒澤幸一事務局長は2021春闘の非正規労働者の賃上げ状況に触れ「現段階で時給制の単純平均は14・9円。昨年(最終)の26・8円と比べ、今年は相当厳しい。昨年度の最賃改定が事実上、据え置かれた影響が大きい」と指摘。
同席した竹信三恵子和光大学名誉教授は「非正規労働者は雇用継続が不安定なため、労組での団体交渉がしにくい。最賃での生活保障がどうしても必要だ」と語った。
生協労連の山形県内の加盟組合で役員を務めている竹田佳代さんは「県内の生協は時給810円。最賃(793円)に張り付いている。フルタイムで働いても手取りは月10万円にもならず、夜のドラッグストアなどでダブルワークをする人が多い。コロナの感染リスクを負いながら、複数の職場で働き続けるのは体力的にも精神的にもつらい」と実情を紹介した。
愛知県内の保育士の鈴木美香さん(29)は、時給1100円で手取りは月平均15万円。連休がある5月は約13万円に下がり、生活は苦しい。1500円への引き上げを強く求める」。
〈写真〉「夜勤手当などを含めても手取りで月約25万円弱。子どもと3人家族で生活はギリギリ」と訴える介護福祉士の上野太一さん(左、4月15日、都内)
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