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    〈建設アスベスト被害救済を!〉福岡県議会で全会一致採択/基金制度創設求める意見書

     アスベスト(石綿)問題の早期解決を求める意見書がこのほど、福岡県議会で全会一致で採択された。都道府県議会での意見書採択は京都府(2015年)に次いで2例目。県内全自治体での意見書採択を目指す福岡県建設労働組合(福建労)の運動が実った形だ。建設アスベスト基金制度創設の検討が進む中、地方からの後押しとなる、と関係者は期待を寄せる。

     福建労は、基金制度創設を求め、地方議会での意見書採択に取り組んできた。支援する建設アスベスト九州1陣訴訟の福岡地裁結審(14年3月)を前に取り組みを開始。現在では60自治体中56自治体に上り、福岡、北九州市のほか2町を残すだけとなっている。

     県議会への働きかけは昨冬から強め、別の課題でつながりのあった旧民主党系会派の県議に協力を要請した。

     昨年12月、国の責任を確定させた最高裁判断もあり、基金制度創設や、飛散・暴露対策の徹底を明記した意見書の原案が同県議団から提案された。最終的に主要4会派の共同提案により3月24日、保守系を含む全会一致で採択された。

     福建労の丸林正二書記長は「福岡県は解体、改修時の石綿飛散防止などの費用補償に後ろ向き。30、40年後に同じ被害を繰り返させないためにも意味のある採択だ」と話している。