スウェーデンの自動車メーカー、ボルボが4月1日から全世界の従業員4万人を対象に、6カ月の育児休暇を取得できるようにした。勤続1年以上の従業員が対象で、休暇中は基本給の8割を保障する。同国内の制度を踏まえたもので、海外の従業員にとっては大きな処遇改善になる。
スウェーデンの育児休暇制度は、両親に480日分が付与され、基本給の8割を保障する仕組み。親のどちらかに取得が偏らないよう、父親と母親のそれぞれが最低90日を取得することとされている。
●優秀な人材確保が目的
ボルボの経営幹部は、世界の自動車産業ではスウェーデン並みの育児休暇は珍しいと指摘した上で「もちろん実施にはコストがかかるが、企業として多様な人材を獲得できるなどプラスの効果を期待している」と語る。
育休は養子を迎えた親や里親、同性婚カップルも取得できる。同社は「どんな性的指向であろうと、平等に親としてサポートしていく」という。
自動車産業は男性割合が多く、同社でも約75%を占める。特に男性の育休取得を促進し、男女とも仕事と家庭生活のバランスを取れるようにすることを目指している。
●先行実施した企業も
スウェーデンには海外従業員を対象とした先行事例がある。音楽配信のスポティファイは2015年、賃金を全額保障する6カ月の育児休暇制度を導入した。家具の生産・販売を手掛けるイケアも17年、インドと米国で同様の制度をつくったと発表している。
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