中堅中小の金属製造労組でつくるJAMの3月末段階の妥結平均額は5026円で、ほぼ昨年並みとなっている。ベースアップ分の平均は1332円。特に100人未満の87組合が1621円と健闘している。後続の中小労組が交渉の目安とする妥結基準については、ベアで1400円以上、平均賃上げで5300円以上を示している。
3月末までに684組合が回答を引き出し、515組合が妥結した。妥結額の平均5026円は昨年同期比141円の微減。300人未満の中小労組は4777円と、これもほぼ昨年並みとなっている。
回答状況について安河内賢弘会長は、「中小を含め製造業は回復基調にあり、地方の中小企業は相対的に人手不足が続いている。一方、大手はグローバル経済の影響が色濃い中、粘り強く100円玉を積み増す交渉を行った結果、ベア・賃上げの流れを内外に示した。これが中小労組を勇気づけ、大手を上回る回答を引き出す結果につながっている」と話す。
中小労組では高額のベアも少なくない。ベア2千円以上の回答を引き出した組合は36組合と、他の規模別の集約と比べて圧倒的に多い。中には1万円を超えるベアを獲得した組合もあるという。
背景には、加盟組合約30万人分の賃金実態データから、自社の賃金が同業他社などと比べて低い事実を労使で確認し、格差是正を進める取り組みがあると、同会長は説明する。
JAMの妥結基準に沿って今後、中小が健闘する流れを維持できるかが注目される。
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