東京電力グループのワットラインサービスで続く労使紛争でこのほど、新たな事件が発生した。同社は組合員13人全員に新年度の契約更新を拒否するとの通告書を送付した。全労連・全国一般に加盟する労働組合は「事前の説明もなかった。組合員への不利益取り扱いと差別待遇に該当する雇い止めであり、認められない」と怒りを表明。3月31日には、同社と親会社の東電パワーグリッドに通告書の撤回を要求した。近く提訴も予定している。
●組合つぶしが目的か
労働者たちは、東京電力の電気メーター交換業務に従事している。2018年に組合(計器工事関連分会)を結成して以降、雇い止めや団体交渉拒否、組合差別などの攻撃が続いている。形式上は請負契約に基づく仕事だったが、東京都労働委員会は昨年3月、「労組法上の労働者」と認定し、団交拒否を違法とした。だが、同社は今も交渉に応じていない。
昨年3月に同社は、組合員に割り当てる仕事量を大幅に減らす〃兵糧攻め〃に乗り出していた。
今回は、新年度の契約を「法人に限る」とし、個人請負契約の組合員を除外。事実上の雇い止めを通告するに至った。
労働組合によると、請負契約を法人に限定する必要性や合理性は説明されておらず、事前の説明もなかったという。これまでの経緯を含めて考えれば「全員の雇い止めによって、計器工事関連分会を壊滅しようとするものだ」と批判。同社と親会社に対して通告書の撤回と、契約の更新・継続、差別のない報酬の支払いを求めている。
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