異性か同性同士かの区別なく法的な結婚ができるよう民法改正を求めている市民団体が3月25日、国会内で集会を開いた。「同性間の婚姻を認めない現行法は憲法14条に違反する」とした札幌地裁判決(3月17日)を受けて、緊急に開催。原告らは「事実上の勝利判決」と喜びを語った。
与野党の国会議員40人が参加する中、「立法府での役割が問われている」との発言が相次いだ。2019年に立憲民主党、共産党、社民党の野党3党で提出した民法改正案(婚姻平等法案)の早期審議を求めた。
主催は、マリッジフォーオール・ジャパン(MFAJ)。オンラインでも配信され、約570人が視聴した。
●「心躍る判決」
寺原真希子MFAJ代表理事(弁護士)は「提訴する前から活動してきた人たちも含めて勝ち取った判決だ。違憲判断は理論的に正しければ直ちに出されるというものではない。国民感情や社会状況を踏まえるのが裁判所の考え方。国民の意識の高まりに正面から向き合ってくれた判決。速やかな民法改正を求める」と語った。
中川重徳理事(弁護士)は「心躍る判決だ。今後の闘いの出発点、力をくれた。歩みを止めないで活動してきたことに自信を持とう。この判決を土台にして婚姻の平等を実現しよう」と呼びかけた。
今回の判決は、19年に「婚姻(法的な結婚)の自由を侵害し差別的な取り扱いを受けるのは憲法違反だ」として、国を相手に損害賠償を求めて5地裁で提訴(原告29人)された中の一つ。
北海道訴訟の原告は6人。同性間の婚姻を(民法で)認めないことを違憲とした司法判断は日本で初めて。判決文は「自らの意思で同性愛を選択したのではない同性愛者の保護にあまりにも欠けると言わざるを得ない」と指摘している。
〈写真〉あいさつするMFAJ理事の中川重徳弁護士(中央、3月25日、国会内)
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