パート労働者の時給引き上げに関する、連合の3月18日段階の回答集計は、加重平均で24・61円となっている。昨年同時期との比較では5・88円の減だが、概算で2・35%の賃上げ率は正社員をしのぐ。主に小売りが多く、好業績と人手不足を背景に交渉が実を結んだ形だ。昨年ほぼ据え置かれた地域別最低賃金改定分を大幅に上回る成果としても関係者は評価している。
56組合・32万8516人分の回答を集約した。昨年同期の77組合・37万1301人を下回る。単純平均は23・1円。コロナ感染拡大中でありながらも健闘している。
56組合のうち大部分を占めているのが、UAゼンセンの44組合だ。イオン労連リフォームスタジオ労組の34・2円、ウェルシアユニオン30・25円、デンコードーユニオン31・20円が目を引く。食品スーパー、ドラッグストア、家電量販店のほか、他産別ではフード連合の食品製造業の組合が名を連ねている。
流通・サービス・金融共闘連絡会代表の松浦昭彦UAゼンセン会長は19日の会見で、「最賃の引き上げ幅が前年とは大きく異なる中、人材確保のためには地域で(時給の)優位性を保つ必要がある。昨年並みは難しいとしても、コロナ禍の中、店先で事業活動に貢献したのは正社員もパートも同じ。少なくとも正社員程度か、それ以上を求めて交渉した結果、流通小売りでは、昨年ほどではないが、正社員を上回った」と語った。
UAゼンセンはパート時給引き上げで、最賃改定による通年の引き上げ分も回答に含めている。昨年は最賃がほぼ据え置かれ、その回答動向が注目されていた。労組が要求・交渉することで時給引き上げの流れを後押ししたといえる。
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