全労連や純中立労組でつくる国民春闘共闘委員会は3月10日の集中回答を受けて、第1回賃上げ集計を行った。有額回答を引き出した199組合の加重平均(組合員1人当たりの平均)は4909円。昨年同時期を129円上回った。新型コロナの影響が長期化する中で「第1次集計としては大いに奮闘した結果」と評価している。
要求額は単純平均で昨年同時期を上回る2万5720円。大企業労組のベア要求見送りや、前年割れが相次ぐ中、「賃上げは自粛しない」との姿勢を示している。
●闘いの効果、表れた
春闘共闘は、初めて金属大手や連合より1週間早く集中回答日を設定した。3月12日の会見で黒澤幸一事務局長は「春闘は企業内主義を克服する闘い。全体への波及に挑戦した」と語った。その上で「『コロナだから仕方がない』という流れを変えようと闘ってきた効果が一定、表れた。交渉は7月まで続く。粘り強く(賃上げを)積み上げていく」と話した。
●第2、3のスト構える
日本医労連の賃上げ平均額は基本給で4895円(昨年最終比166円プラス)、手当込みで4933円(同169円プラス)とともに昨年を上回った。21春闘では昨冬一時金への追加支給も求めている。全国統一行動(3月11日)では69組合、500以上の病院・施設でストライキを決行した。
出版労連は回答を引き出した34単組の平均で7273円。昨年の同時期を下回ったが、「35歳実在者」では8827円で1144円上回っている。住田治人書記次長は「大手出版社労組の回答がまだ出ていない。これから平均額は上がるだろう」と話した。
日本金属製造情報通信労組(JMITU)の回答は昨年を下回った。三木陵一委員長は「コロナ禍の下で、会社に協力し働いてきた労働者の努力に、報いる回答になっていない。企業業績は昨年の受注・売り上げの激減から一定回復しつつある。第2、第3のストライキを構えて大幅な回答の上積みを求めていく」と語った。
〈写真〉国民春闘共闘は集中回答日を受けて初めて記者会見を開いた。説明する黒澤事務局長(右)(3月12日、都内)
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