日本金属製造情報通信労組(JMITU)は3月10日を回答指定日とし、11日には全国で統一ストライキを展開した。鈴木シャッター支部(東京地本北部地区協議会)の要求(8万円の賃上げ)に対し、会社が示したのは、昨年同時期を下回る5400円。支部は「受け入れられない」として翌11日の午後2時15分からストライキを決行した。
組合員からは「親の介護があり残業できない。生活できる賃上げを」「節約にも限界がある」など切実な声が上がっている。支部は3月18日にもストを構え、上積みを求める。
●内部利益を使う時
会社の回答は昨年同時期より1100円低い。相澤広之書記長は「会社側は『新型コロナの影響で、シャッターの取り付け工事や点検作業などが中止、延期となり売り上げや営業利益が下がっている』と言うが、私たちの生活はそれ以上に苦しい。会社はこれまで、業績が良くても『悪い時に使う』と労組の要求通りに賃上げせず、内部利益をためてきた。今、それを使う時だ」と訴えた。スト集会では組合員が「生活苦と言っても過言ではない」など、賃上げへの思いを語った(次頁に表)。
●賃上げと人員増求める
コロナ禍でも会社は休業に追い込まれることはなく、労働者は働き続けてきたという。菊池勝彦委員長は「埼玉工場は1月末からかなり忙しくなり、残業・休日出勤している状況だ。私自身も両親の介護をしながら働いている。8万円の要求額は高いと思われるかもしれないが、そもそも賃金が低い。生活するにはそれくらいは必要だ」と話した。
2021春闘で掲げるのは賃上げと人員増。埼玉工場の労働者は40代以上が多く「労働者が増えなければ技術の継承ができない」。以前から人員増を要求し続け、会社側はやっと昨年から募集を始めた。菊池委員長は「労働者の生活が安定しなければ、会社も利益を追求できない。賃上げも人員増も前進させたい」と決意を語った。
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