全労連や純中立労組でつくる国民春闘共闘委員会は3月5日、日比谷野外音楽堂で「2021春闘決起集会」を開き、集中回答日を前に「内部留保を中小企業支援や賃上げに使え」と訴えた。国民春闘共闘の集中回答日は3月10日。全労連結成後の春闘では初めて金属大手や連合より早い設定となる。集会の様子はオンラインで配信され、加盟労組が視聴した。
小畑雅子代表幹事(全労連議長)は「資本金10億円以上の大企業は内部留保を2019年度の統計で約10兆円積み増している。ため込んだ内部留保を下請けの中小企業支援や賃上げに使え」と語った。黒澤幸一事務局長は昨年度の地域別最低賃金額が事実上、据え置かれたことに触れて「国家的な賃金抑制政策だ。地域別最賃の引き上げは多くの女性やエッセンシャルワーカー(生活維持に欠かせない業種で働く人)に直接、影響する。21春闘で重点課題として取り組む」と述べた。
福祉保育労の澤村直書記長は「新型コロナの感染拡大防止による対応を求められ、休憩時間もままならず給与も発生しない状態で働き続けている」という、20代児童施設職員の声を紹介。その上で「介護や保育、福祉の仕事は家事労働の延長とみなされ低賃金。ジェンダー差別が根強く残る象徴だ。ストライキを背景に闘う」と力を込めた。
〈写真〉集会後、国会に向けてデモ行進した(3月5日、都内)
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