建設現場でアスベスト(石綿)の粉じんを吸い病気になった人が、裁判に訴えなくても救済される「建設アスベスト基金制度」の創設に向けて、与党のプロジェクトチームがこのほど立ち上がった。
最高裁は昨年12月、東京1陣訴訟で国の上告申し立てを退け、同種の訴訟で国の責任が初めて確定した。田村憲久厚生労働相はその直後、原告らと面会し謝罪した。同席した小野寺利孝弁護団長によると、田村厚労相は「与党の支援を受けながら早期の全面解決を目指していく」と述べたという。
その後、自民党「建設技能者を支援する議員連盟」と公明党の対策本部とが、「与党建設アスベスト対策プロジェクトチーム(PT)」の立ち上げを検討。このほど自公両党で正式に合意した。座長に野田毅衆院議員(自民・同議連会長)、座長代理には江田康幸衆院議員(公明・同対策本部長)がそれぞれ就任した。
2月18日に第1回の会合が開かれた。今後は経済産業省や国土交通省などからのヒアリングが行われる予定。
小野寺弁護団長は「国のみの出資による制度を考えているのなら、両省からのヒヤリングは必要ない。私たちは国と建材メーカーの出資を訴えてきた。それに応えた動きだ」と評価した。
第2回目の会合は3月3日。弁護団や原告らが参加する予定だ。
基金制度は、建設アスベスト訴訟の原告らが実現を長く訴えてきた。原告だけでなく、被害者全体を救済する仕組み。国と建材メーカーの出資を求めている。
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