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    「禁止」方針は極めて限定的/反核医師の会が金融機関調査/核兵器製造企業への投融資

     核兵器禁止条約採択(2017年7月)以降、世界では核兵器関連企業に対して投融資を禁止する金融機関が増えている。1月22日の同条約発効で、その動きがさらに加速すると見られている。日本でも同様の動きがあるものの、核戦争に反対する医師の会(反核医師の会)の地方組織「近畿反核医師懇談会」の調査によると、「禁止」は極めて限定的だという。

     同懇談会がこのほど発表した調査では、非人道兵器に対して与信や投資を禁止すると「明文化している」金融機関は、三井住友フィナンシャルグループや第一生命保険など7社、「明文化していないが禁止している」のはオリックス銀行や富国生命保険など10社。中でも、三菱UFJ銀行は「非人道兵器に核兵器を含む」ことを明記している。(表)

     調査は銀行、銀行持ち株会社、生命保険会社など計200社を対象に昨年6月から2カ月間実施。23社から回答を得た。

     近畿反核医師懇談会は核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の「核兵器にお金を貸すな」プロジェクトに賛同し、キャンペーンとして金融機関調査に取り組んでいる。

     

    ●製造部分に限った禁止

     

     1月16日の会見で、キャンペーンの副リーダーを務める松井和夫医師は日本の金融機関による、こうした動きを評価しつつ、「禁止などの対象が核兵器製造企業ではなく、〃製造部分〃に限ったものになっている」と指摘した。オランダのNGO団体PAXの調査によると、三菱UFJ、みずほ、オリックス、三井住友銀行などは核兵器製造企業に投資しており、禁止規制は一部に限られている。

     松井医師は核兵器製造企業を反社会的企業だとし、暴力団に例えて説明した。「暴力団が『子どもの送り迎えに車が必要だから』と言っても、銀行はお金を貸さない。暴力行為に関係のない融資でも貸さないのが通常だ。核兵器製造企業に対しても考え方は同じではないか」と語る。

     キャンペーンリーダーの飯田哲夫医師は、こう話す。

     「この取り組みは『あそこの銀行、核兵器作るの手伝うてはんの?』『そんなとこにお金貸したら、あかんやろ』という身近な市民感覚で核兵器の問題を考え、行動できるものだ。調査を続け、核兵器製造企業に投融資を禁止する銀行を増やしていきたい」