全労連や純中立労組でつくる国民春闘共闘委員会は2月5日、昨秋行った要求アンケートの結果を発表し、大幅賃上げの必要性を強調した。春闘共闘が要求アンケートについて会見を開くのは異例。コロナ禍での苦しい生活実態が浮き彫りになっている。
アンケートは昨年10月から2カ月間、組合員をはじめ組織内外から約15万人分を集めた。「家計を維持するのに月いくら不足しているか」という問いに、約9割が「不足」と答え、うち3割以上が「5万円不足」と答えた。不足金額の平均は昨年より約5千円多い。
仕事や職場の不満を聞いたところ(複数回答)、正規、非正規ともに「賃金が安い」が1位。正規は「人手が足りない」「休暇が取れない」が続く。非正規は「退職金がない」「正規・非正規の格差」が続き、長時間労働や格差是正を求める声が強い。
自由記入欄にはエッセンシャルワーカー(コロナ禍でも社会の維持に不可欠な職種で働く労働者)から切実な声が寄せられた。心の病気も含めて体調を崩しながら働く様子や、退職者が相次ぐ現状を訴える声が多い。「光熱費などの支払いが苦しい」「せめて5万円は賃上げを」との声が寄せられている。(表)
黒澤幸一事務局長は「アンケートにはコロナ禍での苦しい生活実態が表れている。(大幅賃上げは難しいという声があるが)コロナ禍だからこそ、賃上げへの要求が強い。(中小企業など)公的な支援が必要なら労使で求めていく。まずは労働組合が要求をしっかり示さないと、経営側もその気にならない」と語った。
●「忘れられている」
日本医労連は月額4万円以上・時間額250円以上の賃上げを求める。米沢哲書記次長は「医療・介護の現場はマンパワーで支えている。何が何でも賃上げが必要だ」と訴えた。福祉保育労の要求は月額4万2千円以上、時間額260円以上。澤村直書記長は「3人に2人が『賃金が安い』と答えている。コロナ禍で働き続ける福祉労働者は『忘れられている』という不信感が大きい」と話した。
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