私鉄総連は2月2日、都内で拡大中央委員会を開き、21春闘方針を決めた。新型コロナウイルス感染の影響で企業収益が打撃を受けている状況を踏まえ、「生活回復・向上分」の要求を断念。定期昇給相当分2%プラスベア分(生活維持分)900円の引き上げを求めることにした。
私鉄産業は鉄道だけでなく、バスやタクシー、百貨店、旅行・宿泊など幅広い業種を抱える。コロナ禍の下、輸送人員や利用者の減少が続いており、福田英樹書記長は「多くが雇用調整助成金などの制度を活用しながら、雇用を維持している状況だ」。その上で、今春闘では雇用と生活の維持を最優先とし、生活向上に関わるベア分については「苦渋の決断」で断念したという。
生活維持分の900円は2020年4~9月の東京都区部の消費者物価指数0・3%を根拠とした。
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