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    税制改革で金融課税の強化を/連合が法案対応方針/医療費の窓口負担増には賛成

     連合はこのほど、通常国会に提出される法案への対応方針を確認した。税制改革関連法案には金融課税強化を求め、デジタル関連法案に対してはマイナンバーと預金口座のひも付けが必要として修正すべきとした。35人学級実現や、育児休業取得促進の法案は成立を目指す。高齢者の医療機関での窓口負担増や、医師の働き方改革など、賛否の分かれる法案で推進の立場を示している。

     次年度予算案について、コロナ対応に携わる医療従事者への迅速な支援や、不安定雇用、曖昧な雇用への対策が不十分などとし、修正を求めている。税制改革法案に対しては、金融所得課税の強化が見送られ、所得再配分機能を強める視点が欠けているとして修正が必要とした。

     菅政権が重視するデジタル改革法案については修正を要求。所得の正確な捕捉のために、マイナンバーと全ての預金口座のひも付けを求めており、プライバシー保護などを理由に慎重対応を求める他の労働団体とは色合いを異にしている。

     一定の所得がある75歳以上の医療費窓口負担を、1割から2割へと引き上げる医療保険関連案法は推進の姿勢。「年齢ではなく、負担能力に応じた負担への転換を進める」「医療従事者の働き方改革を促進する」と肯定的に捉えている。

     残業と休日労働の上限を原則年間960時間とし、最大1860時間の特例を認める、医師の働き方改革法案については「労働時間短縮の取り組みの遅延なき実施に向け、早期成立を求める」とした。特例の段階的な見直し・縮小を求めていく。

     主たる生計者が年収1200万円以上の世帯について、児童手当の対象から外す法案は廃案を目指す。「子どもの最善の利益を考えればすべての子どもに公平に支給されるべき」とした。