UAゼンセンは、産別の最も低い目標である「ミニマム水準」に賃金水準が届かない大半の組合について、定期昇給相当分に加え、賃金改善として「(ベア)2%」、総額で「9500円か4%」を目標に掲げる。これを踏まえ、製造、流通、サービスの各部門が策定した要求基準は、賃金改善が1~2%か2千~5千円、総額要求方式では7千~9500円と幅をもたせている。
繊維や化学などの製造部門は734組合のうち149社・のべ429件の休業が報告されている。特に繊維の素材・加工が半数以上を占めるという。
そうした状況を踏まえ、製造部門は定昇相当分の確保を最優先としたうえで、1%か2千円の賃金改善を要求する。ミニマム水準未到達の組合が対象で、全体の8割を占める。
同じくコロナ禍の影響が濃いサービス部門も、外食やインフラ、レジャーなど業種別部会ごとに1~2%の賃金改善を設定した。医療・介護・福祉部会では、コロナ禍の最前線で職務に従事してきたことを重視。現行の賃金水準にかかわらず、賃金改善2%か4500円、総額では9500円を求める構えだ。
食品スーパーやドラッグストアなど一部で特需に沸く流通部門は、全ての組合が賃金改善で5千円か2%、総額で9500円を目標とする。
松浦昭彦会長は1月28日に開いた中央委員会で、「新型コロナ克服後には多くの業種で人材不足が顕在化する。魅力ある産業・企業となるためには労働条件の格差を埋めることが必要不可欠だ」と指摘。日本経済の早期回復のためにも賃上げを止めるわけにはいかない、と強調した。
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