自治労は2021春闘期に、コロナ禍の下で脆弱(ぜいじゃく)さが明らかになった公共サービスの拡充を求めるキャンペーンを行う。現場の実情を動画にまとめ、街頭で上映する「パブリックビューイング」などの手法を用い、3月以降、全国一斉に展開する。
地方自治体の職場では、医療や保健衛生、清掃、公共交通、行政の相談・給付対応など、社会の維持に不可欠な「エッセンシャルワーカー」が多く働く。慢性的な人員不足にあることや、拠点となる病院や保健所が統廃合で大幅に削減された実情が、コロナ禍で広く知られるようになった。病院などでは賃金や一時金の引き下げが懸念される。
背景には、2000年代以降強められた、公務員バッシングや民営化、過度な人員削減に伴う公共サービスの削減がある。米国やブラジル、欧州の一部など、新自由主義的な政策を行ってきた国々でも、同様にコロナ禍でその弊害が明らかになっているという。
こうした情勢の変化を踏まえ、自治労は良質な公共サービスの確立と労働者の処遇改善を訴える「公共サービスにもっと投資を」キャンペーンを展開する。「参加する春闘」の一環としての取り組みだ。
本部が各地の単組や現場の実情を取材してアピール動画を作成。全国各地の街頭で上映する「パブリックビューイング」を行い、広く市民に訴える。3月12日には全国統一行動日とし、3~4月に各地で取り組む。各職場にアピール動画の作成も呼び掛け、優秀作品への懸賞も行う。
鬼木誠書記長は「コロナ禍で公共サービスの意義、必要性をより強く住民に認識してもらえるようになっている。地域公共サービスの拡充を訴えていきたい」と話している。
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