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    格差への視点が欠如/経労委報告で連合が苦言

     21年版経労委報告について、連合は1月20日、見解を発表した。報告が賃上げ継続の姿勢を示したことを評価しつつ、格差が拡大する日本の構造的な課題に言及していないことに苦言を呈している。

     見解は、深刻な格差問題に経労委報告が触れていない点を問題視。コロナ禍での労働相談の大半が非正規雇用で働く女性からで、生活不安と将来不安が広がる、日本社会の現状に目を向けるよう促した。

     「1万500円以上」の中小労組の賃上げ方針に、「報告」が否定的であることにも反論した。日本経済の回復には「内需の大半を占める個人消費の維持・拡大が不可欠」と指摘。そのためには、社会の運営に欠かせないエッセンシャルワーカーや、中小企業、非正規で働く人の底上げをする「分配構造の転換につながり得る賃上げ」の実現が必要と強調している。