化学や石油、医薬などの労組でつくるJEC連合は1月14日、オンラインで中央委員会を開き、2021春季生活闘争方針を決めた。賃金の底上げ・底支えを重視するとともに、「2%程度の賃上げ(ベア)」という連合方針を意識して取り組む。酒向清会長は「厳しい交渉が予想されるが、労組自らが(春闘の)ステージに立たないということがあってはならない」と強調した。
酒向会長は21春闘について「コロナ禍の逆風の中で迎える春闘だ」としつつ、雇用と賃上げをてんびんにかける考え方を批判。自信を持って両方を追求すべきと訴えた。
その上で、雇用に関しては「切実だった人手不足の状況は今も解消されていない。企業にとって一番大切な人材に手を付ければ(コロナ後に)どうすることもできなくなる。雇用の課題は中長期的視点で取り組むことを求めたい」。賃上げについては(1)格差の解消(2)経済の自立的成長――の観点から重要と述べた。
厳しい交渉とはいえ、共闘の力で「将来につながる、何らかの成果を勝ち取ろう」と呼び掛けた。
●底上げ・底支えを重視
21春闘方針は底上げ・底支えを重視。企業内最賃要求は時給1100円以上に設定。「25歳・21万円」などの年齢別目標水準や、高卒初任給17万円の水準達成を目指す。年齢別目標水準を達成している組合は、定昇相当分を確保した上で、2%程度の賃上げを意識して取り組む。定昇制度のない組合については、定昇相当5千円とベア6千円の合計1万1千円を要求する。
中央委では、「JEC連合の考える60歳以降の雇用について」と題するたたき台も提起。65歳への定年引き上げを基軸に今後議論していくとした。
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