連合は12月17日、最低賃金に関する取り組み方針を確認した。最大で221円もの地域別最賃の時給格差について、制度運用の抜本的改革に関する研究を進めたうえで、約5年に一度開催する、中央最低賃金審議会の「目安に関する全員協議会」(目安全協)での解決を求めていく姿勢を示している。時給千円は「通過点に過ぎない」とし、連合リビングウェイジ(最高額・1120円)などの目標をあらためて示した。
最賃についての取り組み方針は毎年、この時期に策定している。
地域別最賃については、健康で文化的な最低限の生活を営むことができ、ナショナルミニマムにふさわしい水準へ早急に引き上げるべきとの考え方を示した。雇用と最賃引き上げを二律背反で捉えるべきではないと主張、中小企業が賃上げしやすい環境整備を行い、最賃決定の3要素の一つ、「支払い能力」を高めることが必要としている。
時給千円の水準は、あくまで通過点の一つとし、800円~千円、高卒初任給、連合リビングウェイジ(都道府県ごとに単身者で900円~1120円)を目標に設定した。
焦点の地域間格差については、地方の働き手流出の一因だとして、C、Dランク道県の底上げにこだわる姿勢を引き続き示した。現行の目安制度では地域間格差の是正に限界があるとして、「抜本的改革につながる施策に関する研究」を進める。そのうえで、最賃改定の運用ルール見直しのために5年ごとに開かれる「目安全協」の早期開催と課題解決の検討を求めていくとした。
最賃の全国一律制について担当者は「手法の一つではあるが、解決方法はそれだけではない。すぐ一律というわけにはいかない」と説明している。
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