生活協同組合ユーコープ(エリアは神奈川、静岡、山梨)の労働組合(生協労連加盟)は今秋の交渉で、結婚休暇など慶弔に関わる休暇(有給)について、正職員と同一にするとの回答を得た。週1~2日働く一般アルバイト職員を含め、全ての非正規職員に適用する。実施は2021年6月21日。
●非正規はなぜ無給?
ユーコープ労組は昨秋の交渉で、忌引き休暇(本人が喪主の場合は有給で連続5日)については、正規と同一待遇を実現していた。今回は、結婚に関わる休暇で回答を引き出した。
労組は「昨年の交渉で、理事会は『人の悲しみに正規と非正規とで違いはない』と認めた。そうであれば、人の喜びについても違いはないはずと訴えてきた」と語る。
20春闘では、数種類の非正規雇用で無給となっている結婚休暇などの実態を一覧表で示し、なぜ正規のように有給ではないのかと説明を求めた。同労組は「回答書には格差に納得できる説明がなかった。秋闘で再度説明するよう迫ったところ、今回の回答になった。差を付ける合理的な理由がなかったということでしょう」。
秋闘では、店舗に入っている子会社「コープ水産」でも、慶弔休暇について正規と非正規を同一にすることが実現したという。
●パート・有期法を活用
パート労働者の組合員が多い生協労連は以前から、処遇の均等待遇を求め、春闘や秋闘を通じて改善を追求してきた。今年4月には、不合理な待遇差を禁じるパート・有期法が施行され、待遇差を是正するガイドラインも策定された。
生協労連は、法整備を踏まえた格差是正方針を策定。とりわけ、法律が個別の待遇ごとに差を付ける合理的な理由の説明を使用者に義務付けた点を重視。交渉の中で労働組合に対し、十分に説明できない待遇は是正すべきと迫る取り組みを進めている。
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