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    8時間労働で暮らせる賃金を/全労協など/21けんり春闘発足総会

     全労協や全港湾などでつくる共闘組織「21けんり春闘」の発足総会が11月27日、都内で開かれた。8時間働けば暮らせる社会の実現を目指し、月25万円の賃金保障などを求めている。新型コロナウイルス感染症の流行に便乗した解雇や雇い止めの増加が予想されるため、労働相談の体制を強化する。

     あいさつで共同代表の渡辺洋全労協議長は、全トヨタ労働組合連合会による与党との連携強化を批判。「労働者と使用者との緊張関係をかなぐり捨てる危険な姿勢だ。その陰で起きる下請け・非正規労働者へのしわ寄せや犠牲に警戒しなければならない」と強調した。感染症の影響に触れ「大規模倒産など戦後最悪の事態が予測され、解雇や雇い止めに立ち向かわなければならない」と訴えた。

     中岡基明事務局長は「今年の最低賃金引き上げは1~3円ですずめの涙程度だ。中小零細で働く人や非正規労働者の賃金が最賃に近い現実を見るべき」と述べ、大幅賃上げを呼び掛けた。

     旧労働契約法20条裁判で勝ち取った、有期雇用労働者への各種手当の支給による均衡待遇も21春闘の大きな課題。郵政産業労働者ユニオンの浅川喜義中央執行委員は「有期から無期転換した職員の処遇も見直させなければならない。無期転換から正社員化されて初めて均等待遇になる」と述べ、正社員化の要求を背景に運動を進めると述べた。

     

    〈写真〉「コロナを口実にした解雇・賃下げを許すな!」と訴える平賀雄二郎共同代表(中央)ら(11月27日、都内)