「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    格差是正分として2%目標/UAゼンセンの闘争方針案/必ず何らかの賃金改善を

     製造、流通、サービスなどの労組でつくるUAゼンセンは来年春の闘争で、格差是正分として「2%まで」を目標とする方針案を確認している。産別が設定するミニマム水準に到達していない多くの組合は、定昇相当分を含む要求総額9500円か4%を目標とする。パート労働者については制度昇給に加え2%、総額で4%目標とした。業績が厳しい企業の労組に配慮し、要求基準に幅を持たせつつ、全ての組合が何らかの賃金改善に取り組むよう求めている。

     今春以降の新型コロナ感染拡大で、食品スーパーなど小売の一部は増収増益だが、サービス業は厳しく、製造業も回復していないという。業績のばらつきが大きい中で統一闘争をいかに組むかが課題となった。

     松浦昭彦会長は11月26日に開いた会見で、「ポストコロナを考え、デフレ再来を何としても避けなければならない。産業間、企業規模間、雇用形態間の三つの格差の是正方針を堅持する。要求も交渉もしないということがないようにすることが大事だ」と語った。

     方針案は、定昇相当分を維持したうえで、賃金に関する制度改善や体系是正など、何らかの賃金改善を行うこととし、2%までを目標に格差是正のための賃上げを行う。古川大書記長は「賃金水準が低い、いわゆるエッセンシャルワーカーなどの格差是正に取り組んでいく」と説明した。

     方針は来年1月28日に開く臨時大会で決定する。

     

    〈写真〉松浦会長は「一つの方針の下に最大限の要求、交渉をしていく」と語った(11月26日、都内)