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    社会的役割に応じた賃上げを/日本医労連が春闘討論集会

     日本医労連は11月26日、春闘討論集会をオンラインで開催し、150人を超える組合員が参加した。医療・介護労働者は、新型コロナウイルス感染症の影響で労働強化になる一方、経営悪化を理由にした一時金カットなど大きなしわ寄せを受けている。医労連は国民が安全・安心の医療福祉を受けられるよう、社会的役割に適した賃金の実現を目指す構えだ。

     春闘構想は(1)健康でまともな暮らしができる賃金・労働条件の実現(2)安全・安心の医療・介護を実現する大運動(3)憲法改悪阻止などいのちと平和を守る政治の実現(4)組織拡大――を基調に掲げた。要求案は、月額4万円以上、パート時給250円以上の引き上げ。企業内最低賃金協定では、看護師月額27万円(時給1800円)以上、その他職種は月額25万5千円(時給1500円)以上を示した。

     森田進書記長は医労連の企業内最賃に触れ「春闘で妥結した最賃額が10月改定の地域別最賃に追い越され、再び秋に引き上げるなど、帳尻合わせが繰り返されている(表)。産別統一の賃金要求に結集し、引き上げを図ることが必要だ」と訴えた。

     討論では全医労が、国家公務員の人事院勧告に準じた一時金の引き下げを行わない回答を得たと報告。「法人は経営状況が厳しいと回答直前まで主張していた。職場決議や賃金署名に全員で取り組み、姿勢を変えさせることができた」と述べた。

     その上で「国立病院は感染症や災害発生時にセーフティーネットの機能を発揮しなければならない。今の人員、物資、予算では機能しない。国の責任で整備するよう署名運動や国会請願に取り組む」と語った。

     現在も年末一時金の交渉が続く職場は少なくない。中には0・7カ月引き下げの回答を押し戻し、昨年実績の1・7カ月を勝ち取った職場もあるという。

     東京医労連は「(感染症の)重点医療機関の空床確保料の補助が出る見通しが立ったためだ。国の財政支援がなければ、一時金を出せない切羽詰まった状況。春闘は引き下げられた賃金を取り戻す闘いになるのではないか」と述べ、ストを構えた闘いを強調した。