全労連や純中立労組などでつくる国民春闘共闘委員会は11月18、19日の両日、都内で「2021年国民春闘討論集会」をオンラインとの併用で開いた。賃上げの統一要求基準案は月額2万5千円以上、時間額150円以上を提案した。方針は来年1月14日の単産地方代表者会議で決定する。
小畑雅子代表幹事(全労連議長)は「(賃下げの動きが強まる中で)この秋から年末までの行動が21春闘での闘いの水準を決める。春闘前段から賃上げの流れをつくろう」と訴えた。
●仲間増やし変える春闘
黒澤幸一事務局長が方針案(第1次案)を提案した。「コロナ禍だから仕方がない」という諦めを乗り越えて、仲間を増やしながら「変える」春闘にしようと呼びかけた。具体的には団体交渉など大幅賃上げを求める職場闘争に加え、安定雇用や公務・公共サービス体制の充実、改憲阻止など「社会運動」の両方を成功させることが重要だと強調した。
方針案は「4つのつくる行動と3つのアプローチ」を提起(表)。財界・大企業への対策がこれまでになく重要だと指摘し、内部留保を適切に活用させるアクションを検討するとしている。
●生計費原則で結集
討論では、京都総評が商工会や商工会議所など地域経済団体との懇談の取り組みを報告した。学者や弁護士、経済団体役員らで懇談会を立ち上げて、コロナ禍の下で労働者の暮らしと地域経済を守る提言を作り、訪問しているという。梶川憲議長は「『労働者あっての経済』という合意作りが今、必要だ。労働組合が賃上げを求め、労働者の暮らしを守る姿を示す。方針に国民的大共同という基本スタンスを加えてほしい」と要望した。
日本医労連は、多くの医療機関に公的財政支援が届かない中、新型コロナの感染リスクを抱えながら働き続ける医療従事者に対して、一時金削減が提示されていることを報告。
森田進書記長は「厳しい情勢に負けないよう、8時間働けば誰もが人間らしく暮らせる賃金という、生計費原則に結集することが大事だ」と述べた。春闘共闘全体で取り組む「いのち守る署名」(安全・安心の医療・介護の実現と国民のいのちと健康を守る署名)の賛同、紹介議員が88人に達したと報告した。
出版労連では、新型コロナ感染拡大で、労使合意なく緊急的に始まったテレワークで、経営側から「時間管理ができないので時間外手当などは支払わない」と言われるケースが多いという。テレワークによる働き方の指針を作り、春闘前に提起し、交渉すると発言した。
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