政府は75歳以上の高齢者が支払う医療費の窓口負担について、「一定所得以上の人」を対象に1割から2割に引き上げることを検討している。これに対し、開業医でつくる全国保険医団体連合会(保団連)は「コロナ禍による受診控えがさらに深刻化する」として反対を表明。11月12日には国会内で集会を開き、これまでに集めた反対署名約14万筆を野党議員に手渡した。
現在、厚生労働省の社会保障審議会の部会で審議されており、年内に結論を出す予定だという。新たに2割負担とする対象範囲などが議論されている。
保団連は、75歳以上の窓口2割負担などをしないよう求める署名に取り組んできた。この日の集会には立憲民主党や日本共産党、社民党などの国会議員15人が駆け付け、「負担増阻止」へ決意を表明した。
参加した医師からは「消費増税とコロナ禍、窓口負担増で3重苦だ。既に受診控えで重症化する人が出ており、患者と医療機関が共倒れになりかねない」「患者からは『今以上に負担増になれば生きていけない』との声が上がっている」などの訴えが続いた。
〈写真〉国会議員に署名を託す医師ら(左側、11月12日、国会内)
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