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    外国人労働者との共生社会を/連合などが集会/外国人技能実習法から3年

     外国人技能実習法の施行から3年。同法が定める実習生の労働環境の改善について検証しようと、連合や日本労働弁護団などでつくる実行委員会は10月30日、国会内で集会を開き、外国人労働者の命と権利を守り、共生社会を目指そうと呼び掛けた。

     札幌地域労組の三苫文靖書記長は、きのこ工場で働くベトナム人実習生の解雇事件をネット中継で報告した。実習生が働く二つの会社は発注元の経営破綻を理由に3月、17人を解雇。実習期間は9カ月残り、解雇予告手当も不当に減額されたという。実習生14人が組合に加入。団体交渉や労働委員会への申し立てを経て、会社側が解決金を支払うことで和解した。9月からは新しい管理団体と経営者の下、同じ工場で実習を再開させている。  

     三苫書記長は「事実上の解雇撤回で解決でき、組合の介入で解決金も払われた。外国人技能実習機構は腰が重い。現状では実習生の保護や問題解決、支援は全くできていない」と語った。

     

    ●実習制度は廃止に

     

     集会では施行から3年を検証するパネル討論が行われた。

     連合の仁平章総合政策推進局総合局長は、機構が設置されて、法に基づく監督指導が可能になったと指摘。一方、労働法違反などの改善が見られないことから、機構職員の人材育成など、継続した取り組みが必要とした。

     コロナ禍で実習継続が困難になった実習生に対し、介護などの14分野で就労を認める在留資格変更の特例措置については「雇用確保のセーフティーネット」と評価しつつも、「本来の実習の職種と異なる、人手不足の特定技能の分野に送り込んでいる。コロナ禍で新たに外国人が入国できないから穴埋めとして使うのはおかしい。なし崩し的な制度運用になるのではないか」と懸念を示した。

     移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)の鳥井一平代表理事は特例措置を批判した。「〃実習〃で受け入れているのだから、仕事がなくても生活費の支給や早期の帰国ができる施策を取るべき。人手不足の分野に転換させる、ずるいやり方をしていいのか」と憤った。制度を廃止し、人権擁護と移民政策による共生社会の実現を呼び掛けた。

     日本労働弁護団の水野英樹幹事長は(1)劣悪な労働環境や人権侵害(2)転職の自由がない(3)ブローカーや管理団体による搾取――が制度の問題点だと指摘。「法施行でこの3点が解決されたか。チェック機関の機構が役に立っていないのが実情だ。機構が頑張っても(搾取の構造などは)解決できない。単純労働の労働者を確保したいという思惑と技術移転の建前が根本的な問題だ」と述べ、制度の廃止を訴えた。

     

    〈写真〉ミャンマーから来日した女性は、実習先の社長から「犬」と罵倒されたり、同僚がたたかれたりすることもあったと訴えた(10月30日、都内)