「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)が9月25日、次期衆院選で野党が共闘する際に掲げる共通政策の方向性について、15項目の要望書をまとめ、発表した。「立憲主義の回復」や「いのちを最優先する政策の実現」などで、各地で野党共闘として具体的な政策を策定する場合のたたき台にしてほしいという。
要望書は「いのちと人間の尊厳を守る『選択肢』の提示を」と題し、新型コロナウイルス感染の拡大で明らかになった、従来の経済システムからの転換を強く求めている。
市民連合は、昨年の参院選でも1人区を中心に野党統一候補の擁立を促し、13項目の共通政策を示した。
●選挙ではさらに具体化
今回の要望書について、山口二郎法政大学教授は「各地で運動している人々の意見を踏まえ、参院選での13項目をバージョンアップした。衆院選で野党が協力する際の『立ち位置』を示したもの。基本的理念ともいえる」と説明した。選挙が近づいた時には、今回の内容を踏まえて、もっと分かりやすく、具体的な政策を掲げることになる。
この日、立憲民主党と日本共産党、社民党に要望書を手渡して懇談。「各党とも、おおむね方向性は一致している」(山口氏)という。今後、国民民主党やれいわ新選組にも要望することにしている。国民民主党との間で政策の方向性が一致できるかどうかについては「合意できない部分があってもやむを得ない。しかし、候補者として勝つためには野党が一本化しなければならず、15項目全てでなくとも、ある種の共通政策で結集できるものをつくっていきたい」と述べた。
総がかり行動実行委員会の共同代表も務めている高田健氏は「菅政権に対峙(たいじ)して、平和で、生活が豊かで、権利が保障される国にしたい。その意思を確認した上で、今度の総選挙では、市民と野党が共闘し、一緒に政治を変えていく」と語った。
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