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    「中道・非共産を基軸に」/UAゼンセン・松浦会長/国民民主の動向見極める

     UAゼンセンの松浦昭彦会長は9月15日、野党再編に言及し、中道・非共産を基軸とする「大きな塊」を目指すべきとの見解を示した。2人の組織内議員を無所属としたことについて、新たな国民民主党をより強力に支援するとの立場を示しつつ、連合との連携がない中、動向を見極める必要があるためと説明した。

     安倍前首相の政権運営について、松浦会長は「最大の問題は民主主義の根幹である『熟議を尽くす』『少数意見に耳を傾ける』という観点がほとんど見られなかったことにある」と振り返った。7年8カ月に及ぶ長期政権を許した要因は野党の脆弱(ぜいじゃく)さにあるとし、「多少幅があっても、中道・非共産を基軸とし、現実的な政策、今後の社会を構想できる労働者目線の大きな塊が現在の野党の側に必要だ」と述べた。

     野党合流協議の過程で、合流新党(立憲民主党)の綱領に「中道」の文言が盛り込まれず、「原発ゼロ」が入ったことを問題視。連合との政策協議を踏まえて「支援政党」に位置付けるとしつつ、「非共産」に対する姿勢が不明瞭であることから、組織内議員の合流を見送ったと説明した。

     国民民主党については、綱領、理念、政策が一致しているとし、「より強力に支援していく必要がある」とした。しかし、連合との連携関係が必要だとし、動向を見極めるため、いったん無所属にするとの判断に至ったと語った。

     旧国民民主党を支援した連合傘下組合の組織内議員では、電力総連と電機連合が国民民主党に流れ、UAゼンセンと自動車総連が無所属となっている。