今回の「核兵器廃絶1000万署名」の取り組みでは、連合内で組合員数が1、2位の産別であるUAゼンセンや自動車総連の奮闘が光った。署名数は両産別で全体の4割を占めた。
●理解活動が浸透
【自動車総連】
自動車産業で働く約79・8万人を組織する自動車総連は、署名目標(約157万筆)に迫る数(約150万筆)を集めた。組織活動を担当する戸村伸一郎副事務局長に話を聞いた。
戸村副事務局長は「何か特別なことをしたわけではない。あえて言うならば、理解活動があらゆるところで浸透した結果だ」と話す。自動車総連は、企業グループ別の労組連合会(12労連)で構成されており、署名運動は12労連それぞれが具体化し取り組んでいる。
戸村副事務局長は「平和運動に限ったことではなく、自動車総連と12労連、労連と単組、単組と組合員との信頼関係の深化が署名数となって現れた」と述べた。
昨年8月から取り組み、12月で最終集約。12労連ごとに見てもおしなべて差はなかったという。
●独自の街頭署名行動も
【UAゼンセン】
UAゼンセンは製造、流通、サービスなどの労組でつくる国内最大産別(179万人)だ。約188万筆の集約は、目標には届かなかったものの、組合員数を上回った。取り組みの特徴を広報担当者に聞いた。
UAゼンセンにはパートなど非正規労働者の組合員も多い。限られたタイミングや時間の中で、どうしたらより多くの人の協力を得られるか工夫したという。短時間で趣旨を理解してもらい、その場で署名を集めるスタイルを各職場で展開した。
A4サイズの独自のパンフレットを作成し、配布した。署名用紙は職場で書き、回収しやすいように5名連記のものを活用した。会議で常に集約状況を確認し共有した。
昨年12月6日にはUAゼンセン本部としてJR市ケ谷駅前で独自の街頭署名行動も行った。今年1月の中央委員会では会場ロビーに署名コーナーを設置し、参加者の多くが署名に応じた。
松浦昭彦会長はあいさつで核兵器廃絶署名に触れ、「職場でどれだけのリーダーがどれだけの組合員に協力のお願いができているか、組織力の現状を測る重要な物差しとして考えなければならない。世界唯一の戦争被爆国日本の労働者が(核兵器廃絶への)強い意志を示す、重要な署名だ」とさらなる取り組み強化を訴えた。
〈写真〉UAゼンセンの中央委員会では会場ロビーで核兵器廃絶署名を訴えていた(1月30日、都内)
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