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    非正規労働者にも休業手当を/飲食店ユニオン/パート従業員がストライキ

     全国で飲食店チェーンを展開する「フジオフードシステム」(本社・大阪)が運営するケーキカフェ店で働くパート従業員2人が、新型コロナウイルスの影響で休業した際の休業手当の支払いを求め、9月3日から2週間のストライキに入った。

     首都圏青年ユニオン飲食店分会(飲食店ユニオン)が同日、都内で記者会見し発表した。同社は各地で「まいどおおきに食堂」「串家物語」などを展開している大手企業。

     2人が働く「タルト&カフェ デリス」の店舗は、緊急事態宣言の発令を受け4月8日~5月末に休業。4月分の休業手当はすでにシフトが組まれていた数日分だけ支給され、5月分は支払われなかった。6月から営業が再開され、現在は売り上げも戻っているが、人員が削減されたため業務量は増えているという。

     同ユニオンとの団体交渉で同社は、店舗が入居する商業施設が休業したことによる店舗休業であり、休業手当の支払い義務はないと回答。一方、正社員には100%支払っていることがわかった。

     記者会見した2人は「生活がかかっているのは正社員も非正規も同じ。私たちと同様に苦しむ人たちの力になればと思い、立ち上がった」と語った。

     同席した原田仁希首都圏青年ユニオン委員長は「雇用調整助成金の助成率が大企業は中小企業より低いため、利用しないで休業手当を支払わない例が多い」と指摘した。

     

    〈写真〉「正社員が守られているのに、非正規は使い捨てなのでしょうか」と訴える女性従業員(9月3日、都内)