金属関係の中堅・中小労組でつくるJAMは8月27日、ウェブ方式で大会を開いた。デジタル技術革新を踏まえたものづくり政策の策定や、新型コロナウイルス感染拡大下での補強方針を確認。拡大する賃金格差の是正・縮小、個別賃金要求の推進も掲げている。
デジタル技術革新が進む中、方針はものづくり産業の現状と課題を指摘し、国や地方自治体に働きかけるための政策提言「ものづくり進化論Ⅲ」の策定を決めた。提言は2002年と08年にも策定され、国の施策にも一定の影響を与えてきたという。
安河内賢弘会長は「中小製造業の現場は残念ながらIT化が進んでいない。IT化の遅れは生産性の低迷や取引先の寡占化を招き、労働条件の低下に直結している」と指摘。デジタル技術革新が人々の生活を変え、イノベーションを生み出す時代の政策提言の作成に着手すると述べた。
新型コロナに関する補強方針も決めた。雇用問題での地方組織、単組との連携強化や、雇用調整助成金の拡充、労働相談からの組織化、安全衛生の確保などを確認した。
賃金、労働条件の課題では、拡大する賃金格差の是正・縮小、公正取引を確保する「価値を認め合う社会の実現」に引き続き取り組む。目標とする賃金水準への到達を目指す個別賃金要求の推進も重視。特定最賃については、対象となる「基幹労働者」像の具体化を検討し、社会的な労働基準確立を目指す。
安河内会長は厳しい環境で迎える21春闘について「格差は歴然と横たわっている。賃金の上昇によって個人消費を回復させることでしか日本経済の復活はあり得ない。そのためにも春季生活闘争そのものを止めることがないようお願いしたい」と語った。
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