2016年にスタートしたヒバクシャ国際署名の提出期限(最終)が迫っている。署名を取りまとめるヒバクシャ国際署名連絡会は10月に開催される国連総会第1委員会に提出する予定で、最終集約日を9月18日と決めた。
署名は、内外の被爆者が「後世の人びとが生き地獄を体験しないように、生きているうちに何としても核兵器のない世界を実現したい」と、全ての国に核兵器禁止条約の締結・批准を求めている。
呼びかけ人には、2017年の同条約採択時に国連で被爆者としてスピーチしたサーロー節子さん(カナダ在住)や、長崎で被爆し焼けただれた自身の「赤い背中」の写真を掲げ訴え続けた谷口稜曄(たにぐちすみてる、17年8月死去)さんが名を連ねている。
これまでの署名累計数は1184万筆を超えた。署名連絡会は、市民団体など48組織と個人で構成。27都道府県に地域連絡会があり、その他の地域でも被爆者団体を中心に取り組みが広がった。20都道府県と1263市区町村の首長も署名している。
●若い世代が引き継ぐ
8月12日に開かれた同連絡会のオンライン集会で田中熙巳連絡会代表は、署名を始めた当時の思いを次のように語った。
「2010年の国連核不拡散条約(NPT)再検討会議で原爆被害の非人道性が注目され、法的な枠組みの検討が必要だという議論があった。しかし、次のNPT再検討会議(15年)では禁止条約をつくる合意ができなかった。被爆者として核兵器廃絶への焦りを感じ、この署名運動を始めた。被爆者が先頭に立って始めたが、今では若い世代にも引き継がれている」
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