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    コロナ後、「憲法活きる」社会を/全労連大会/最賃と組織化計画を確認

     全労連は7月29~30日、定期大会をオンライン会議方式で開催した。新型コロナウイルス感染拡大で明らかになった、1990年代以降の新自由主義的改革の誤りを是正し、コロナ終息後に「憲法が活(い)きる社会」「8時間働けば人間らしく暮らせる社会」の実現を目指す。社会全体の底上げをめざす「全国一律最低賃金アクションプラン2024」と、「150万全労連」をめざす組織強化拡大4カ年計画も確認した。

     新役員には、小畑雅子議長(全教)、黒澤幸一事務局長(日本医労連)を選出した。ナショナルセンターの女性トップは国内で史上初。黒澤氏は前北海道労連議長で、地方リーダーからの事務局長選出も全労連結成以来初めてだ。

     

    ●世論と運動で変えよう

     

     公称組織人数が初めて100万人を割り込む中、大会では今後4年間で150万組織を目指す「新4か年計画」を策定した。組織拡大戦略会議を設置し、対象となる産業や地域を検討し提案する。

     最賃アクションプランでは22年春までに全国一律制の法改正実現を目標に据えた。時給1500円未満で働く当事者を先頭に世論に働きかけ、国会議員の賛同を募り、来年の通常国会に最賃法改正法案を提出させたい考えだ。時給1500円を目標に据え社会各層との対話を進める。

     新型コロナ禍の下で雇用を守り、10割の休業補償を確保する取り組みをはじめ、医療や衛生など公務・公共サービスの後退から拡充への反転に力を注ぐ。

     野村幸裕事務局長は、安倍政権が狙う2020年の改憲を押しとどめていることや、最賃をめぐる世論の関心の高まり、新型コロナ対策で政府に政策変更をさせたことなどを示し、この間の運動と世論の成果とたたえた。

     方針は「安倍改憲」阻止と、コロナ後をにらみ「憲法を活かす」社会づくりの取り組みも引き続き重視する。小田川義和議長は「どんなに遅くとも来年10月までには総選挙が行われる。命、暮らしを守るためには安倍自公政権を打倒し、市民と野党の共闘を発展させて政治の転換を目指そう」と呼び掛けた。

     討論では、「コロナ後の社会のあり方を示す必要がある」(山形)など、医療提供体制の削減や、貧弱な介護、保健所など公務・公共サービスを切り捨ててきた、近年の新自由主義的改革の見直しと社会保障拡充の取り組みを求める意見が多数出された。

     新型コロナ禍の下で休業補償が支払われないという労働者が同僚とともに、労働組合を結成した取り組みが報告されたほか、最賃の課題では「(引き上げの影響を受ける)中小企業政策を国の政策の中心に据えるよう求める運動を進めよう」(京都)などの意見が出された。

     

    8時間働けば暮らせる社会に/小畑雅子全労連新議長

     全労連議長に新たに就任した小畑雅子氏は就任会見で、「コロナパンデミックの中で新自由主義を転換し働く者の命と暮らしが守られる社会にしていこうという機運が高まっている。誰もが8時間働けば暮らせる社会を実現するために、強く大きな労働組合を新4カ年計画で作っていきたい」と抱負を語った。

     初の女性議長であることについて問われ、「じくじたる思いがある。本来ならばもっと早く、普通に女性が労組役員になれるべきだった。(性別で役割を固定化しない)ジェンダー平等を進めていきたい」。

     

    〈写真〉会見に臨む小畑新議長。初の女性議長就任に多くの記者が駆け付けた(7月30日、都内)