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    合同労組の大同団結めざす/全国ユニオン大会/「一人の首も切らせない運動を」

     連合加盟の全国ユニオン(鈴木剛会長、約3千人)は7月17日、都内で定期大会を開き、「地域で活動する合同労組の大同団結を目指し1万人のユニオンを実現する」との運動方針を確認した。コロナ禍の下で、一人一人の雇用を守る取り組みを重視。全国一般労組や地域ユニオンでつくる「コミュニティユニオン全国ネットワーク(全国ネット)」と連携し、「最賃1500円」や貧困救済などの運動とも連帯して政策実現を追求する社会的労働運動を強める。

     鈴木会長はあいさつで「一人の労働者の首も切らせない。命を守り抜くための連帯を強めていく」「富める者はますます富み、貧しい者は自己責任とされる。そんな社会に終止符を打つことを高らかに宣言したい」と語った。安倍政権打倒を目指すとともに、その後継が小池百合子東京都知事や吉村洋文大阪府知事のような「ポピュリスト」であってはならないと主張。多くの労働者、市民による大同団結が必要と述べた。

     来賓には初めて全国ネットの代表が出席。連合本部、日本労働弁護団などが来賓あいさつした。

     新型コロナウイルス感染拡大を契機とした、新たな社会構造の変化を見据え、政財界の雇用流動化・非雇用化政策に団結して立ち向かうとする大会宣言を採択した。

     

    ●地域単位の団結を

     

     大会後の記念シンポジウムには地方の労組がオンラインで参加した。新型コロナのしわ寄せが非正規労働者、外国人労働者に及んでいる現状が報告されるとともに、一緒にコロナ禍を乗り越えていく地域ユニオンの役割が語られた。

     オンライン参加した自治労全国一般福岡地方労組の山岡直明委員長は、トヨタの孫会社で多数の派遣労働者が組合加入し、低額な休業手当の引き上げと「派遣切り」の撤回を求め、ストを構えて改善させた取り組みを紹介。ナショナルセンターの枠を超えた支援・共闘が必要と述べた。

     岐阜一般労組の本間高道会長は「これまで気づかなかった矛盾が顕在化している。今後起きる産業の再編で最も被害を受けるのが非正規労働者と外国人労働者だ。企業単位ではなく、地域単位で団結していく必要がある」と語った。

     

    〈写真〉全国ユニオンは、全国ネットをはじめ、全日建、全港湾、全国一般、合同労組との連携を模索する(7月17日、都内)