米連邦議会内で、沖縄・辺野古の米軍新基地建設の地盤の問題を懸念する動きが出てきた。下院軍事委員会の即応力小委員会が6月、2021年度国防権限法案を可決。その中で、新基地予定地での地震の可能性や地盤の不安定性を指摘したのだ。新基地建設の見直しにつながるのかどうか、が今後の焦点となる。
●海底の軟弱地盤に言及
Q 国防権限法案とは? A 米国の国防予算の使い道を決めるため、毎年策定されている。上下両院のそれぞれの軍事委員会で可決された後、法案を一本化し、大統領が署名して成立する運びだ。
Q 新基地建設についてどう言っているの?
A まず、今埋め立てを進めている大浦湾の海底について「地震の可能性と不安定性に対する懸念」を表明した。具体的には、2本の活断層と近くに落差50メートルの海溝がある点に注意を促している。
Q 海底地盤がマヨネーズ並みに柔らかいっていう話のこと?
A そうだ。法案は海底地盤の硬さを示す「N値」の検証を含め、地盤強化などの改善策ををまとめて小委員会に報告するよう求めている。期限は12月1日。つまり、日本政府による「地盤は硬い。大丈夫」という見解を必ずしも信じていないということだね。
Q 建設の見直しにつながるのかな?
A 上院軍事委員会の法案は辺野古問題に触れておらず、一本化の過程で削られる恐れもあり、予断を許さない。ただ、沖縄県民の民意がやっと連邦議会に届いたという点は無視できない。玉城デニー知事が就任以来、3度にわたり訪米。この権限法案に焦点を絞って基地建設見直しを訴えてきた成果でもある。この動きを注視したい。
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