「副業・兼業の促進・普及を図る」とした政府方針を受け、昨年から労働時間通算のあり方などを検討してきた労働政策審議会の分科会が6月25日、再開した。労働者の自己申告を基に労働時間管理を行う方法を原則としつつ、あらかじめ副業先での労働時間の枠を決める簡易な管理方法を提案した。
労働者が副業先で雇用されて働いた場合、割増賃金支払いや、残業上限規制(1カ月100時間未満など)をめぐる判断は、本業と副業の労働時間を通算して行う。
厚生労働省は、労働者からの申告を基に、使用者は副業先の労働時間を通算して管理する義務があるとの原則を示した。例えば、本業で法定労働時間の限度まで働いた場合、後から契約した副業先は時間外割増(25%など)を追加して支払わなければならなくなる。
その上で、厚労省は負担の少ない「簡便な方法」を提起した。本業の使用者があらかじめ副業先での労働時間の上限を決め、労働者を通じて副業先に提示する。副業先の使用者が応じれば成立し、労働者はその枠内で働く。
法定労働時間を超えていれば割増賃金を支払い、法定の残業上限を超えた場合は、逸脱して働かせた使用者が労働基準法違反に問われると説明している。
16日に開かれた政府の未来投資会議で、ほぼ提案通りの案が示されていた。同会議は労働者の自己申告に漏れなどがあり、残業の上限規制を超えてしまった場合、本業の企業は責任を問われないことを提案した。
副業・兼業をめぐっては、2017年4月の「働き方改革実行計画」で普及促進を図る方針を確認。同年末にはガイドラインを策定した。
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